
「軸は固定、回るのはゴムだけ」エキスパンダーロール構造が生んだ新発想。
大阪染織機械株式会社は、主力製品であるエキスパンダーロールの「ベアリング内蔵・外輪回転方式」を応用し、スト レート(直線)形状で使用する新しいゴムロールを開発しました。 一般的な鉄芯直巻きロールとは構造が根本的に異なります。ゴムスリーブ(外輪)のみが回転するため、驚くほど低い回転トルクを実現。ガイドロール、タッチロール、フリーロールとして、幅広い用途で活躍します。
外輪回転式(スリーブ式)を選ぶ3つの理由
1. 低トルクで「連れ回り」
内部ベアリングにより回転抵抗を極限まで低減。多くの場合、駆動装置なしでシートの搬送力だけでスムーズに追従します。製品へのスクラッチ(擦り傷)防止にも貢献します。
2. 駆動装置・工事不要
軸を固定するだけで設置完了。モーターや複雑な軸受設計を省略できる(※)ため、テスト ラインの増設や、既存ラインの置き換えが非常に容易です。
※注釈:使用条件により補助駆動が必要な場合もございます。
3.表面加工でグリップ調整
スリーブ表面への「研磨」や「溝切り」により、把持力(グリップ力)を最適化。スリップを抑えた「抑えロール(タッチロール)」としても高い機能を発揮します。
多様な業界・過酷な環境に対応

高機能フィルム搬送
ヘリカル溝・平行溝などの「溝切り加工」でエアー巻き込みを防止。表面研磨で摩擦係数を調整し、シワやスリップを抑制します。
紙加工・印刷・不織布
紙粉の影響を受けにくい表面仕上げや、テンション(張力)に敏感な不織布への低負荷搬送を実現。製品の伸びや破断を防ぎます。


特殊環境・酸系薬 液ライン【実績あり】
酸系の薬品槽出口など、腐食しやすい環境にも対応。軸(金属部)が回転しない構造に加え、耐薬品性ゴム(フッ素等)を選定することで、高い耐久性と液切り性能を発揮します。
基本仕様・製作範囲
・構造:ボビン構造体 + ゴムスリーブ被覆(外輪回転・軸固定)
・表面加工:表面研磨、溝切り加工(※クラウン加工は不可)
・対応ゴム材質:EPDM、NBR、ウレタン、シリコンなど(カスタム製作時)
※本製品はスリーブ式の 構造上、ロール面長(長さ)によって対応可能な回転振れ精度が異なります。短尺の場合、0.05mm近傍までの調整が可能ですが、長尺になるほど振れが出やすくなる傾向があります。詳細な精度については、ご希望のサイズに合わせて都度回答させていただきます。
よくあるご質問(FAQ)
Q1. 製作可能なサイズ範囲(外径・面長)を教えてください。
A. 現在の対応範囲は、ゴム外径:φ50mm ~ φ125mm、最大面長:2,500mm まで製作可能です。 今後、対応サイズの拡大も予定しております。上記以外のサイズでも対応可能な場合がございますので、まずはお気 軽にお問い合わせください。
Q2. 対応可能なライン速度はどのくらいですか?
A. 表面速度 最高 350m/min まで対応可能です。 エキスパンダーロールの構造を応用しており、高速回転時でもスムーズな追従(連れ回り)を実現します。
Q3. ゴムの材質は変更できますか?
A. はい、変更可能です。 標準在庫のEPDM以外にも、用途に合わせてNBR、ウレタン、シリコンなど様々な材質で製作できます。 また、本製品は「スリーブ(筒)交換式」のため、使用したいゴム材質のスリーブのみを製作し、取り替えて使用することも可能です。テストなどで異なる材質を試したい場合にも最適です。
Q4. 表面の仕上げ加工(研磨)はできますか?
A. はい、本製品(OS外輪回転式)の標準仕様であれば対応可能です。 表面研磨を行うことでグリップ力(把持力)の微調整ができ、用途に合わせて最適な摩擦係数に仕上げます。
【※ご注意ください】 表面研磨加工は、本ページでご紹介している「OS外輪回転式」のみの対応となります。 オプションで「溝加工」を施す製品や、一般的な「軸回転式の通常ストレートロール」には、構造上、表面研磨加工はできませんので予めご了承ください。
Q5. 既存のロール(軸回転)から置き換えは可能ですか?
A. はい、可能です。ただし本製品は「軸固定」となりますので、軸受(ベアリングユニット)を取り外し、軸をフレームに固定する専用軸受や簡単な改造が必要になる場合があります。
Q6. テフロンチューブの被覆は可能ですか?
A. はい、可能です。 非粘着性や耐薬品性が必要な場合、ゴムスリーブの上にテフロンチューブ(熱収縮チューブ)を被覆する加工も承っております。
お客様の仕様に合わせた個別のご提案も可能です。上記以外のご不明点や具体的なご相談がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。
