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工場背景

エキスパンダーロールとは?

シート状製品の品質を左右する「シワ取り」と「拡幅」の核心。

製造ラインの安定稼働を支える、湾曲ロールの基礎知識。

あらゆるシート加工工程に不可欠な「機能性ロール」

なぜ、湾曲したロールが回転するだけで、厄介なシワを伸ばすことができるのでしょうか。その秘密は、ロールの形状とゴムの特性にあります。

エキスパンダーロール(Expander Roll / 弓形ロール)とは、製紙、染色、フィルム、印刷などの製造ラインにおいて、シート状製品(ウェブ)の「シワ」や「縮み」を解消するために設置される湾曲したゴムロールのことです。

単独で動作する機械装置ではなく、ドライヤーやカレンダー、コーターといった各工程の装置に取り付けることで、製品の品質と歩留まりを劇的に向上させる役割を担っています。

白いエキスパンダーロールと緑色の軸受け、大阪染織機械株式会社

なぜ、回転するだけでシワが取れ、幅が広がるのか?

独自の「湾曲構造」が生む、合理的な拡幅作用

その秘密は、ロールの軸が弓形(アーチ状)に湾曲している点にあります。

1.回転と摩擦: ロール表面は湾曲した固定軸を中心に回転し、ゴムの摩擦力でシートを捉えます。

2.角度の変化: ロールの中央から両端(エッジ)に向かうにつれて、シートの進行方向に対し外側へ向かう角度が大きくなります(θ1>θ2>θ3)。

3.外側への引張力: この角度差により、シートは回転するロール表面に沿って「中央から外側へ」自然に引っ張られ、シワが伸びていきます。

図形と材料-ウェブ、θ1、θ2、θ3、中心線、戸の中心的、大阪染織機械株式会社。

図解:ロール中央から両端(エッジ)に向かうにつれて、外側へ引張る力が大きくなります。

性能を最大限に引き出す設置のセオリー

1.基本原則:導入・導出と角度のバランス

エキスパンダーロールの効果を確実に発揮させるためには、適切な「通紙方向」が重要です。 シートは必ず、ロールの「凹側(へこんでいる側)」から導入し、「凸側(出っ張っている側)」へ送り出すように設置してください。

凹側 凸側 2つのロールで生地を伸ばす様子 エキスパンダーロールとは? 大阪染織機械株式会社

図1:基本的な設置方向

シートの素材や厚みによって、最適な「接触角(巻き角)」は異なります。

図解 展開角(巻き角)30~50度、進入角、脱出角、エキスパンダーロールとは?大阪染織機械株式会社

図2:薄物・フィルムの設定(30°〜50°)

2. 紙・フィルム・薄布

デリケートな素材や薄いものは、接触角を 30°〜50° 程度と小さめに設定します。

接触角(巻き角)60°~80°、導入角、請出角のエキスパンダーロールとは?大阪染織機械株式会社

図3:厚物・不織布の設定(60°〜80°)

3.厚い織物・不織布

腰の強い素材や厚手のものは、接触角を 60°〜80° 程度と大きめに設定することで十分な効果が得られます。

重要なポイント: ロールへの接触角度(巻き角)は、図にある「導入角」と「誘出角」の合計です。この2つの角度が均等になるよう(ロールの湾曲頂点が接触面の中心に来るよう)調整するのが理想的な設置位置です。

国産エキスパンダーロールのパイオニアとして

エキスパンダーロールは、構造こそシンプルに見えますが、内部構造やゴムの材質選定によって、その寿命と性能は大きく異なります。 大阪染織機械株式会社は、国産エキスパンダーロールのパイオニア企業です。長年培った技術の結晶である「OSエキスパンダーロール」は、一般的な製品と明確な違いがあります。

​比較項目

​一般的なエキスパンダーロール

​大阪染織機械「OSエキスパンダーロール」

​基本原理

湾曲したゴムロールによる拡幅

基本原理を基に、内部構造の最適化でよりスムーズかつ確実な拡幅性能を追求

​ゴム材質

​用途に応じた標準的な材質が主

お客様の生産条件(薬品、温度、速度)を徹底ヒアリングし、EPDM、シリコン、フッ素ゴムなど多彩な特殊合成ゴムから最適選定

​ラインナップ

​乾式・湿式(防水性)での分類

防水に加え、超低張力(L・Mシリーズ)や高速回転など、ライン特性に合わせた豊富なシリーズを展開

​品質とサポート

​メーカーにより様々

一貫した国内設計・製造による圧倒的な高品質。導入後のゴムスリーブ再研磨・交換など、迅速かつ手厚いサポート体制

貴社のラインに最適な「一本」をご提案します

初めての導入から、既存ロールのメンテナンス・リプレイスまで。 「OSエキスパンダーロール」の詳細や仕様選定については、大阪染織機械株式会社の公式サイトをご覧ください。

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